はじめに
近年、学園南地域でも少子高齢化し空き家が増え、隣近所のつながりも疎遠化が進む中で、地域活動の担い手が減ってきています。“地域力のあるうちに設立を”と、「学園南地域自治協議会」の設立準備を進め、平成27年4月から平成31年4月まで検討を重ねてきました。
その間、皆様から8団体協働事業の「街育アートフエスタ」開催への支援、また町づくりアンケートでは設立にご賛同の回答を多く頂きました。
おかげ様で令和元年5月26日の合同臨時総会で、自治協議会設立の決議がなされ、同年6月18日付、「学園南地域自治協議会」が地域を代表とする組織として奈良市の認可団体となりました。
皆様には、一層地域自治協議会の理解を深めていただき、引き続き地域の活性化と街育にご支援を頂きますようお願いいたします。
1. 地域自治協議会とは
全住民自治によるまちづくりを行うための地域を一体化した、新たな地域コミュニティ組織のことです。
地域自治協議会の構成
今まで地域コミュニティの中心的役割を担ってきたのが自治会であり、自治会長が既存の市民公益活動団体(奈良市自治連合会など)の役員を担ってきたことなど、新しいコミュニティの形成にあたっての素地があります。
地域自治協議会は、各地区の自治連合会などが中心となり、地域で活動する各種団体や住民が連携して協議を行います。また、この地域自治協議会は、各種団体への加入の有無、性別、年齢、国籍などに関係なく、地域の住民全員が地域自治協議会の構成員となり、活動に参加することができます。
地域自治協議会の活動エリア
地域自治協議会は、一定のまとまりのある地域で設置して、その区域を活動エリアとします。
ただし、地域自治協議会を担うのは住民であることから、隣接する区域が一体となるなど、住民が活動しやすい区域を選択できるよう柔軟に対応するとともに、各地域の実情に合わせたエリア設定を地域の話し合いによって決定することも可能です。
学園南地区における対象エリア
学園南1~3丁目、学園大和町1丁目の一部
地域自治協議会の役割
地域自治協議会は、地域の現状や課題にもとづいてさまざまなまちづくり活動を行うほか、地域の要望を取りまとめ、市へ提言を行うなどの役割を担います。
また、地域自治協議会の活動を継続的に実施していくためには、連携・交流によって地域内の絆を深めるとともに、段階的・計画的に活動を拡大していくことが望まれます。
地域自治協議会の主な役割
①まちづくりの活動推進 | ・地域の課題解決に向けた活動 ・地域自治計画の作成・実施 |
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②要望の集約・提出 | ・地域内の要望や意見の集約・提出 |
③施策等の提言 | ・地域内の活動を踏まえた施策・事業の提言 |
④情報共有の窓口 | ・市の担当部局を通じた情報の送達・授受 |
⑤地域連携の強化 | ・各団体間の情報連絡 ・各団体が実施するイベントの調整・相互参加 |
2. 地域自治協議会の効果
地域自治協議会は、地域内の各団体のネットワーク化及び相互補完を図るもので、それぞれの地域の特色を生かした組織として地域の課題にきめ細かく対応できることなどから、地域・行政の双方にさまざまな効果がもたらされます。
地域にとっての効果
- 相互補完:個別では解決が難しい課題でも、多様な主体が協力することで解決していけます。
- 一体感の向上:地域の誰もが参加し、活動に取り組むことができる組織であることから、地域内の一体感の向上が期待できます。
- 相乗効果:協議会を構成する多様な主体が連携・協力することで、従来からの活動が活性化したり、新たな活動が生まれたりする可能性があります。
- 効率性向上:地域内の重複した活動が一本化されることにより、効率的な役割分担が可能となり、住民が参加しやすくなります。
行政にとっての効果
- 地域の要望・提案の効率的かつ迅速な把握:地域で調整集約された要望・提案等を市に提出し、市側が効率的かつ迅速に把握することができるようになります。
- 地域の実情に応じた迅速かつ一体的な対応:横断的・多面的に把握した地域の要望・提案等を基に、地域の実情に応じて、市が迅速かつ一体的に対応することが可能になります。
複合的な効果
- 地域と市側双方からの施策提言の機会・場が容易に確保できます。
- 地域ニーズに密接に対応した市の政策づくりが可能になります。
- 両者にとって情報の公開と共有による合意形成の場が担保されます。
3. 地域自治協議会に関するQ&A
Q:地域自治協議会を設立するメリットは何でしょうか。
地域自治協議会を設立することで、
■地域課題に対して、連携して対処することができます。
■地域に一体感が生まれます。
■担い手不足により難しくなった活動を地域全体で取り組めます。
Q:私たち地域住民は、具体的に何をすればいいですか。
まちづくりの担い手の一人として、地域自治協議会に関心を持ち、できる範囲で地域自治協議会の話し合いや活動に参加していただくことが重要だと考えます。
地域内の企業や各団体の役員の方、退職した世代の方などに積極的に声を掛け合い、地域自治協議会への参加を呼びかけていきましょう。
Q:地域自治協議会を設立したら、自治会(町内会)や地域の団体はなくなりますか。
地域自治協議会は、各地域に存在する組織に替わるものではなく、各団体が連携協働するプラットホーム的な組織です。そのため、地域自治協議会の設立にともなって既存の団体がすぐさま解散するわけではありません。
Q:現在の自治会(町内会)や地域の各団体は、今後どのように変わりますか。
自治会(町内会)や地域の各団体は、相互に連携することにより、地域内の課題解決に向けた取り組みを検討・実施しやすくなります。また地域内に一体感が育まれ、単独では解決が難しい課題も効率的に解決することが可能となります。
Q:地域自治協議会は、市役所の組織ですか。
市の組織ではありませんが、地域自治協議会はまちづくりを進めていく上で市の重要なパートナーとして、連携・協働していくことになると考えています。